Cinema Circuit

2018〜

当「地域活性化映画祭 シネマサーキット」は、日本国内で「地元を盛り上げたい、元気にしたい」という想いを持つ方々を『映画づくり』を架け橋として繋ぎ、監督チームと地域がタッグを組み、“完全自主制作体制”にて約2年の歳月をかけて共に映画づくりを行い、完成作品を全国各地で上映し、その興行収入によってグランプリを決定するという、従来には無い全く新しい形式の映画祭です。

当映画祭は、「完成された作品を集めて上映」する一般的な映画祭とは異なり、「企画〜作品完成までの過程も含めて審査し最終的に上映」するという、1回の開催に約4年を費やす長期戦となります。

また「有名な監督や俳優を呼んで我がまちで映画を撮ってもらおう」という“誰か頼み”の映画制作ではなく、一般的な商業映画のように「予算・配役・配給先・宣伝ありき」でもなく、あくまでも監督チームと地域がタッグを組み、互いの全面的な協力体制のもとで共に作品を創り上げていく『映画づくり』です。この制作方法を、私たちは“完全自主制作”と呼びます。

しかしどうして、わざわざ時間も労力もかかる“完全自主制作”でなければならないのか。ここに、私たちが謳う「地域活性化映画祭」のキーポイントがあります。

映画は、単にカメラを回して誰かに演技してもらうだけでは、つくることはできません。リーダーとなる監督はもちろん、演技をする役者、物語を担当する原作者・脚本家、制作プロデューサー・ディレクター、撮影カメラマン、照明、音声、制作記録、メイク、美術など、様々な分野の仕事を役割分担することで物語の世界を創っていきます。

映画は「総合芸術」と呼ばれるように、前述のような専門的な役職はもちろんのこと、運転手、ロケ地や宿泊先を探す人、食事を作る人、業務連絡をする人など、日常生活中のあらゆる作業(能力)は何でも、映画づくりに欠かせない重要なパズルの1片となります。

つまりプロでなくとも、専門的な知識や技術がなくとも、どんな人でも気軽に映画づくりに参加できます。

映画づくりには「莫大な予算や専門家や人手」が必要と思われがちですが、仲間内で役割分担をして、手弁当(低予算)で自分たちが創りたいように創る映画作品が存在し、それらは“自主(制作)映画”や“インディーズ映画”と呼ばれます。

私たちシネマサーキット実行委員会は、後に“自主映画監督の登竜門”と称された「インディーズムービー・フェスティバル」(1996〜2008年、全10回限定開催で終了、以下IMF)の運営母体が前身です。

IMF開催により、総計4,786作品の自主制作映画と出会い、総勢35,696人が映画づくりに参加し、355名もの自主映画監督(才能)を発掘し、今や第一線で活躍する北村龍平監督・山口雄大監督をはじめ、数多くの映画人が世に羽ばたくきっかけとなりました。

自主映画は低予算ゆえに、制作チームは思い描く理想の映画作品を創るため、考え、行動し、交渉し、不可能を可能にしようと努力し続けます。その情熱がいつしか伝わり、多くの人の心を動かし協力を得て、地域(商店街・団体・企業・学校・行政等)や多くの人々を巻き込んで撮影が進められます。

結果的に、映画づくりを媒介として多くの人が動き、知り合い、交流が生まれ、互いに成長することで「街が活性化」した事例を、私たちはこれまでに数多く見て来ました。

そしてIMF終了後、私たちは“完全自主制作体制”にて「企画〜制作〜オーディション〜撮影〜編集〜完成」までを行い、その過程をホームページ上で一般公開し、完成作品の劇場公開を終着点とした映画祭『Black-indie! “Road of Black Carpet”』(ブラック・インディ! 〜ロード・オブ・ブラックカーペット〜、2008〜2012年)を開催しました。

参加監督チームの全てが作品完成に辿り着くことはできなかったものの、役者オーディションには全国より数百人の役者が集い、監督チームは地元を大きく巻き込んだ撮影を行い、数多くの人々の協力を得て、その制作過程は多くのメディアでも取り上げられ、街が“活性化”していく一部始終を見てきました。

私たちが謳う“完全自主制作”とは、映画づくりに必要なあらゆる「人・モノ・場所」において、妥協無く納得した協力・協賛体制を得たうえで制作進行することを指します。

これは、「できる限りお金を掛けない」ことだけが目的なのではなく、時間をかけて地域の方々と交流し、理解・協力を得たうえで撮影を行うことで、互いに学び合い、人と人の繋がりが大きな“うねり”となり、さらに多くの人々を巻き込み、連鎖的に未知の推進力を生み出します。

この「インディーズ力」こそ、地域が自ら活性化するキーポイントであると私たちは考えています。

これらの経験と背景をもとに、私たちは日本各地の自主映画監督(次世代映画人)を再び発掘し、ロケ地となる地域とのマッチングを行い、新しい「地域映画づくりの環」を日本各地に発生させます。

指定制作期間内に完成に至り、審査を通過した作品は、当映画祭に参戦する各チームの地元地域や、賛同される全国の劇場・ホール等の会場で全作品を上映することで、独力では難しい全国公開を、みんなの力で実現させるシステムを構築しました。これを私たちは「サーキット上映*」と呼びます。

6ヵ月間のサーキット上映終了後、最終的な興行収入によりグランプリを決定し、イベント「Cinema Circuit Summit」にて発表を行います。そして順位に応じて「次回作品の制作費」を授与し、更なる地域映画づくりの活性化と継続を推進します。

“映画づくり” “人づくり” は “まちづくり”
なんと夢ある、ストーリー。

当「地域活性化映画祭 シネマサーキット」は、記念すべき第1回目の本エントリー開始に向けて、プレイベントを開催し、同時に仮エントリーを開始します。